Webライターは与えられたテーマやキーワードに沿った記事を執筆すれば良いと思うかもしれませんが、それだけでは足りません。読みやすさや読者が求める情報を盛り込むことだけではなく、法律を守ったうえで執筆しなければならないので注意しましょう。
医療・美容・ダイエットといった体に関わるジャンルは特に気を付けなければなりません。具体的にどのような法律がWebライターの執筆活動に関わってくるのかについてご紹介します。
Contents
Webライターの業務で気を付けなければならない3つの法律
Webライターとしての執筆業務を行ううえで気を付けなければならないのは、著作権法・薬機法・景品表示法の3つです。
どのような法律なのか、どんな表現が法律違反になるのかを見ていきましょう。
【その1】著作権法
著作権法とは、著作物と著作者を守るための法律です。著作物を著作者の許可なく使用した場合は罰せられます。著作権に違反した場合は、損害賠償を請求されるリスクがあります。逮捕され、罰則が確定した場合には10年以下の懲役、もしくは1000万円以下の罰金です。
Webライターの場合、他人が執筆した記事をそのままコピー&ペーストしたり、本の内容を盗用したりすることが著作権違反に当てはまります。
また、ブログやWebサイトへの記事の掲載作業も業務に含まれている場合は、肖像権の侵害にも気を付けなければなりません。芸能人や著名人の顔写真はもちろん、許可を得ていない他者の写真を無断で掲載するのは肖像権違反となりますので注意しておきましょう。
【その2】薬機法
薬機法とは、医薬品や医療機器、化粧品の安全性を確保するための法律です。2014年11月に改正されるまでは薬事法と呼ばれていました。薬機法に違反すると最大で5年以下の懲役、あるいは500万円以下の罰金が科せられます。
Webライターとして気を付けなければならないのは、医薬品や医薬部外品、化粧品や医療機器の効果・効能に関しての表現です。薬機法の中に、医薬品や化粧品などに関する誇大表現をしてはならないという法律があります。
つまり、効果が立証されていないにも関わらず、「飲めば必ず10キロ痩せられる」、「塗るだけで髪が生えてくる」、「服用すればたちまち病気が治る」などと書いてはいけないということです。
また、断定的な表現だけではなく、必ず効果があると読者に誤解されるような表現も禁止されています。
【その3】景品表示法
景品表示法(景表法)とは、商品やサービスに関する価格や内容、品質を正しく表示するための法律です。不当な表示で消費者に不利益を被ることがないように定められています。景品表示法に違反し、刑事罰となった場合、2年以下の懲役、あるいは300万円以下の罰金となります。
Webライターが景品表示法に違反しないようにするためには、商品やサービスに関する誇大表現や嘘の表現は徹底して避けなければなりません。記事の執筆上のルールとしては薬機法と似ていますが、景品表示法の場合は医薬品や化粧品などに限定されない点が異なります。
あらゆる商品やサービスにおいて守らなければならない法律ですので、Webライターは表現に誤りがないかを意識しながら執筆しなければなりません。
法律を無視して執筆するとどうなる?
Webライターが法律を無視して執筆するとどのような状況になるのでしょうか。具体的なケースを見ていきましょう。
修正を依頼される
大抵の場合はまず法律に違反しないようにするために、記事の修正を求められます。検収される前の段階ですから、修正さえすれば特に罰則はありません。
ただ、指摘された内容に関しては速やかに修正し、同じ間違いをしないように気を付ける必要があります。同じミスを続ければ修正を依頼されるのではなく、仕事が打ち切りになったり、仕事を回してもらえなくなったりするため、十分に気を付けましょう。
法律について理解していることを前提で依頼されている場合、違反した内容の記事を納品するとWebライターとしての信用を失う可能性があるため、より慎重に執筆する必要があります。
罰則が科せられるのはクライアント
万が一、法律違反をした記事がWeb上に公開され、それによって違反が発覚した場合、罰せられるのはクライアントです。法人の場合はその代表取締役が逮捕される可能性があります。
ただ、Webライターが逮捕されるわけではないのなら「自分には関係ないだろう」と思ってしまうのは危険です。自分の執筆した記事によって逮捕者が出てしまう危険性があることをしっかりと頭に入れておきましょう。
クライアントから訴えられる可能性がある
記事の執筆を仲介している企業であれば、まず修正依頼をされるため、訴えられるリスクは低いです。しかし、自社のWebサイトに掲載する記事を執筆して欲しいと直接依頼されたなら、より注意しなければなりません。
法律違反を犯した記事を公開することでクライアント側が罰せられ、それによって記事の執筆を依頼したあなたに対して損害賠償を請求する可能性はゼロではありません。
多くのクライアントは法律違反に抵触することのないように注意を払ってはいるものの、安心しきって誤った表現はしないようにしましょう。
Webライターの法律について勉強する方法
Webライターとして法律違反になるような記事を書かないようにするためには、法律への理解を深めるのが必要不可欠です。
具体的にどのような方法で勉強すれば良いのかについて解説していきます。
クライアントに訊ねる
一番手っ取り早い方法なのは、クライアントに訊ねることです。さすがにすべてをいちから教えてもらうのは難しいですが、「この表現は問題ないですか?」といったような質問形式であれば答えてもらえるでしょう。
記事を執筆していて疑問に思った点として訊くことで、どの表現なら正しくで、どんな表現だと間違っているのかがわかってきます。ただ、質問に答えてもらうためには、クライアント側が法律に詳しくなければなりません。
法律の知識に疎いクライアントである場合は、明確な答えをもらえなかったり、誤った情報を教えられたりする可能性もあります。クライアントに訊ねるのはあくまでも法律や記事を執筆する際のルールに詳しいと判断できた場合のみにしましょう。
セミナーに参加する
著作権セミナーや薬機法セミナーのように、参加することで勉強する方法もあります。セミナーに参加するメリットとしては、法律に詳しい講師が教えてくれる・わからないことがあれば質問できる点です。
主催しているのは文化庁や公益社団法人、一般企業などさまざまあります。無料セミナーもありますが、有料の場合もありますので、興味がある場合は事前に確認しておきましょう。
また、法律の基本について学べるセミナーもあれば、Webライティング全般について学べるセミナーや上級者向けのセミナーもあります。受講する際は、自分が知りたい知識や身に付けたい能力に合ったセミナーを選んでみてください。
本で勉強する
法律について基本から学びたいのであれば、本で勉強するのが確実です。さすがに六法全書まで購入する必要はありませんが、先述した著作権法・薬機法・景品表示法については押さえておくと良いでしょう。
堅苦し過ぎる法律の本は難解に感じやすいですから、図解や事例などを使ってわかりやすく解説されているような本がおすすめです。Webライターに関係する法律を学ぶのに適した本をご紹介します。
クリエイター向けに著作権についてわかりやすく解説されている本です。執筆に関する説明もあるため、Webライターにも役立つ情報は多くなっています。
医薬品や医療機器に関する薬機法を学べる本です。図解されているため、初心者でもわかりやすい内容となっています。
景品表示法の基本だけではなく、事例も含めて解説されているため、初心者でもわかりやすく学ぶことができます。商品やサービスを紹介するWebライターなら押さえておきたい本の1つです。
ただ、本を読んで勉強する場合は、改定されて法律の内容が変わることもあることに注意しておきましょう。
さいごに│執筆するときは3つの法律に気を付けよう
記事を執筆する際には著作権法・薬機法・景品表示法の3つの法律に気を付けておきましょう。
ルールを守った記事を執筆できるようになれば、記事の品質も上がりますし、クライアントから高い評価を得やすいです。Webライターとしての収入を増やしたり、クライアントとの取引を継続したりすることにも繋がります。
だからこそ、少しずつでもWebライターに関わる法律の知識は習得しておくことをおすすめします。